白内障の手術で目の中に挿入する眼内レンズには、大きく分けて「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の2種類があります。
一般的に使われることの多い単焦点眼内レンズは、ピント(焦点)が遠くか近くのどちらかだけに合うよう設計されています。そのため、術後、ピントが合わない距離をくっきりと見るためにはメガネが必要になります。
わかりやすい例をあげてみましょう。ピントが遠くに合うレンズなら遠くの看板は見えますが手元の新聞が読みづらく、近くに合うレンズなら手元の新聞は読めますが遠くの看板が見づらい、ということになります。
一方、多焦点眼内レンズは、遠くと近くの両方にピントが合うよう設計されており、そこが単焦点眼内レンズとの大きな違いです。つまり、遠近ともにメガネがなくても見やすいということです。
また、白内障の手術において、単焦点眼内レンズを用いた場合には健康保険が適用されますが、多焦点眼内レンズを用いた場合には、いわゆる「先進医療」扱いとなり、健康保険が適用されないことも違いの一つです。